「幸福優位7つの法則」を読んで。
幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
- 作者: ショーン・エイカー,高橋由紀子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/08/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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<概要>
「人は成功したから幸福になるのではない、幸せを感じるから成功するのである」
多くの人が、幸福感は成功のあとに立つものだと信じている。しかし実際はむしろ逆であり、幸せを感じているから成功できるのである。なぜなら人の脳は幸福を感じているときに最大のパフォーマンスを発揮するようにできているからであり、日頃から幸福感を高めることが成功への近道だと筆者は説く。
科学的な知見をもとに、幸福感と脳のパフォーマンスについて語った一冊。
<ポイント>
ここでは7つの法則のうちいくつかを紹介する。
・ハピネスアドバンテージ
幸せを感じることがパフォーマンス向上につながるという話。幸福ホルモンと呼ばれるドーパミン、セロトニンが増えると、脳の学習機能部分が活性化する。そのため、幸福感を感じることで脳を活性化しパフォーマンスを高めることができる。また、ポジティブな気分は視野を広め多くのことに気づくことができる。一方で、ネガティブな気分は視野を狭めてしまう。
・テトリス効果
テトリス中毒者には目に入る建物や道具すべてが、テトリスの形に変換される。これは、脳がテトリスに特化した状態になっておりテトリスに関連する情報に優先して注目してしまうからであり、このような脳の効果を「テトリス効果」と呼ぶ。テトリス効果は、訓練すれば脳が注目するものを選択できるということを示している。普段から幸せな出来事に注目する訓練をしていれば、幸福感を高めポジティブな気分でいられる時間を長くすることができる。そして幸福感が高まれば視野が広がりアイデアやチャンスに気づきやすくなる。
・ソーシャルへの投資
仕事が苦しく忙しいとき、多くの人が仕事場にこもり一人になろうとする。しかし、人間関係の欠乏は精神的にダメージを与え、パフォーマンスを落とす要因となる。親しい人と触れ合う時間は幸福感を高め、仕事の効率を高める。そのため周囲との関係性、支えは最高の資産であり、どんなに忙しくとも親しい人と過ごす時間は最も犠牲にしてはならないと筆者は説く。
<感想>
・読書前は「幸福感」と言う言葉にスピリチュアル・非科学的な印象を受けたが、本書を読んでみたところそんなことは一切なかった。本書では科学的な知見も記載されており、非常に説得力の高い内容だと感じた。
・幸福感が成功の先に立つという発想は今までなく、目からウロコだった
・幸福感の重要性にも納得でき、幸福感を高めるための具体的な方法が数多く記載されているため非常に参考となった
・しかし、個人的には少し疑問もあった。確かに幸福感は視野を広げるが、同時に油断も生じやすくなりミスが増えることも予想される。幸福感のメリットだけではなくデメリットについてもう少し記載が欲しかった。